ぴーすと戯れる

帰宅するといつも、ぴーすは「寂しかったよ〜」
とばかりに、スリスリとからだをすり寄せてくる。
まるで“ハグ”みたい。ワンコもハグをするのだ。


不在の時間が長ければ長いほど、
“ハグ”の時間も長いのだけれど、今回のハグは長かった。


もう一人の同居人である妻が、ぼくと入れ替わって
山形に出張に出かけていることを知っているのかもしれない。


長いハグを終え、そのまま散歩に出かけた。
ぴーすは、ぼくと二人で散歩するときはいつも、
この小さな群れのリーダーは自分だと言わんばかりに
からだひとつ分くらい前を歩く。


そして、ときどきぼくを振り返る。
ちゃんと付いて来ているか確認しているのだろうか?
まるで小学生の集団登校の班長さんみたいだ。


散歩のときは「ヒールポジション」とか言われるけれど、
そんなお行儀はむしろどうでも良くなった。
彼女の意志が明確に示される様を見ている方が楽しい。


昔「わんぱくでもいい、たくましく育って欲しい」
なんてCMがあったっけ?


こうして、ぼくは完全に「日常生活」に戻ったことを実感する。